認知症の方への接し方
介護職未経験者が覚えたい3つのこと
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「認知症の方にどう声をかければいいのか分からない」——介護の仕事に興味はあるけれど、そこで足が止まってしまう人はとても多いです。ですが、認知症の対応にはコツがあり、未経験からでも順番に身につけられます。ここでは、現場に立つ前に知っておきたい接し方の基本と、場面別の声かけをまとめました。
認知症は「症状」ではなく「その人」を見る
認知症は、記憶や判断の力が少しずつ変化していく状態のことです。アルツハイマー型や脳血管性などいくつかの種類に分かれますが、未経験のうちに覚えるべきなのは医学的な分類よりも、目の前の方への向き合い方です。
2024年1月に施行された認知症基本法は、認知症の人を含めた一人ひとりが個性と能力を十分に発揮し、人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を目指すと定めています。2024年12月に閣議決定された認知症施策推進基本計画も「本人の声を起点とする」考え方を基本に置いています。
国の方針も「認知症の人」ではなく「認知症のあるその人」を見る方向へ進んでいるということです。何十年分の人生があり、好きな食べ物があり、譲れないこだわりがある。接し方の出発点は、この一点にあります。
未経験がまず覚えたい3つの基本
現場では覚えることがたくさんありますが、認知症の方への接し方に限れば、最初に押さえるのは次の3つで十分です。どれも特別な技術ではなく、意識すればその日から実践できるものばかりです。
1否定しない・訂正しない
「さっきも食べましたよ」「それは違います」と事実を正しても、ご本人の中では今それが本当のことです。訂正は「間違いを指摘された」という感情だけを残し、不安や興奮につながります。国立長寿医療研究センターも、失敗や間違いを責めず「大丈夫だよ」「一緒にやろう」とさりげなく手助けすることが安心感につながると示しています。まずは「そうなんですね」と受け止めるところから始めましょう。
2視線の高さを合わせて短い言葉で
立ったまま上から話しかけると、それだけで威圧的に伝わります。車いすや椅子に座っている方には、しゃがんで視線の高さを合わせ、正面からゆっくり話しかけてください。言葉は「あれ」「それ」を避け、短くはっきり具体的に。表情や声のトーン、手を握るといった関わりは、言葉以上に気持ちが伝わる手段になります。名前を呼んでから話し始める、話しかける前に相手の視界に入るといった小さな配慮も、驚かせないための大切な手順です。
3一度に1つだけ伝える
「トイレに行ってから上着を着て、食堂へ行きましょう」は情報が3つです。認知症の方にとっては処理しきれず、混乱の原因になります。「トイレに行きましょう」と1つ伝え、終わってから次を伝える。急かさず、相手のペースに合わせることが、結果的にいちばん早く終わります。返事を待つ時間を少し長めにとるだけでも、ご本人の表情が変わることは珍しくありません。焦らせないことが、そのまま安心につながります。
【NG/OK対比】よくある場面別の声かけ
実際の現場でよく出会う3つの場面を、NGとOKの対比で見てみましょう。
場面1:同じ話を繰り返す
- 【NG】「その話、さっきも聞きましたよ」
- 【OK】「そうなんですね、それでどうなったんですか?」
ポイント:
ご本人にとっては毎回が初めての話。内容ではなく、話したい気持ちに付き合います。
場面2:帰宅を訴える
- 【NG】「ここがお家ですよ」「帰れません」
- 【OK】「そうですね、そろそろ夕方ですもんね。お茶を一杯飲んでから一緒に考えましょう」
ポイント:
「帰りたい」の裏には不安や手持ち無沙汰があります。否定せず、いったん気持ちに寄り添って話題を切り替えます。
場面3:入浴を拒む
- 【NG】「昨日も入っていません、入りましょう」
- 【OK】「今日は一番風呂ですよ」「背中だけ流させてもらえませんか」
ポイント:
理由は寒さ・恥ずかしさ・面倒などさまざま。断られたら一度引いて、時間や誘い方を変えて再挑戦します。
共通しているのは、事実で説得しようとしないことです。認知症の対応のコツは、正しさを伝えることではなく、その方が安心できる状況をつくることにあります。声かけの引き出しは経験とともに増えていきますので、最初はこの3場面だけでも覚えておくと現場での不安がぐっと減ります。
うまくいかない日があって当然
基本を守っても、うまくいかない日は必ずあります。昨日は笑って応じてくれた声かけが、今日は通じない。それは技術が足りないからではなく、体調や環境、その日の気分といった要因が重なるためです。
大切なのは、うまくいかなかったことを一人で抱え込まないことです。「今日は入浴を断られたけれど、午後に誘ったら入ってくれた」といった情報をチームで共有すれば、次に担当する職員が同じ壁の前で立ち止まらずに済みます。申し送りや記録は、事務作業ではなく、その方への理解をチーム全員で積み上げていく作業です。未経験のうちは、うまくいかなかった場面こそ先輩に相談してみてください。「自分だけができない」と感じる必要はまったくありません。
未経験者が学べる環境の見つけ方
認知症への接し方は、独学よりも現場で先輩の関わり方を見ながら覚えるほうが確実です。職場を選ぶときは、新人がいきなり一人で対応させられていないか、研修や勉強会の機会があるか、困ったときに相談できる雰囲気があるかを確認しましょう。無資格・未経験からのスタートでも、入職後に受けられる研修や資格取得支援を用意している施設なら、知識と経験を並行して積み上げていけます。
大阪で未経験から介護職を目指すなら、まずは教育体制の整った施設を見比べるところから始めてみてください。
情報参照元
まとめ
認知症は分類より「その人」を見ることから。国の基本計画も「本人の声を起点とする」考え方に立っています。未経験がまず覚えるのは「否定しない」「視線を合わせて短く」「一度に1つ」の3つ。事実で説得せず安心できる状況をつくるのが認知症対応のコツです。うまくいかない日はチームで共有する。抱え込まないことが大切なポイントです。
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当メディア監修の「スイートガーデン」(株式会社ニューパートナーズホールディングス)は、「資格支援制度」で介護業界未経験・無資格の方の転職を応援しています。介護業界で初めて働く皆さんが、1年目にぶつかる壁や不安を解消する取り組みを行っており、特に働きやすさを追求した福利厚生や、時代に合わせて進化していく介護現場の効率化を図る「介護DX」に力を入れています。



